エクスキューズ・ミー

「言い訳」をテーマに書いています。

「積ん読」への言い訳

本が好きだ。
漫画や小説に加えて、最近はエッセイにも手を出すようになった。
給料日の直後、余裕のある財布を携えて書店に出掛ける。店内を二周、三周して、気になった何冊かを購入する。
会計を済ませて店を出るときの爽快感は何物にも替え難い。
大切に読もう、でもすぐにでも読んでしまいたい、ああ楽しいなぁ……。

問題はここからである。

読まないのだ。
自分のコンディションが良いときに読みたい、たっぷり時間の取れるときに読みたい、などと思いながら一日、また一日と時は過ぎる。
そして手をつけないまま一箇月が経過して、給料日がやって来る。
また書店に出掛ける。吟味して何冊か購入する。この繰り返しである。
気付いたときには、未読の本が本棚に入り切らないどころか、床にまで溢れるようになる。
一度でも読んだのであれば処分することも考えるのだが、せっかく買った本を読みもせずに手放す気にはなれない。
労働の対価として得た金銭で、時間を掛けて選んで購入した本なのだ。
いつか、ベストのタイミングで……。この思いを胸に、どんどん未読本が積まれていく。

読みもしないのに買うなんて馬鹿なことを、と思われるかもしれないが、それは違う。
いつか読むのだ。
最高のコンディションで、最高の環境で、自らが選んだ素晴らしい本を読むのだ。

また給料日が来たら、書店に出掛けよう。
私は本が好きなのだ。