エクスキューズ・ミー

「言い訳」をテーマに書いています。

二十歳を越えても中二病であることへの言い訳

「世界を受け入れし者」というサブタイトルだった。
15年以上も昔に観た深夜アニメの話である。

当時は「中二病」などという言葉も無く、「オタク」が世に浸透し始めていた記憶がある。新世紀エヴァンゲリオンが社会現象になっていた時代だ。

このアニメは流行っていたライトノベルを原作にしたもので、原作はあるもののオリジナルストーリーという、よく分からないものだった。
そのアニメの第三話に宛てられたサブタイトルが冒頭に挙げたものだ。

世界を受け入れる。「受け容れる」と書いた方が伝わるだろうか。
世界を受け容れる少女と、世界を受け容れる振りをする少女の物語だ。
落ちとしては、二人とも無残な最期を迎えることになるのだが……当時、私は彼女達の思想に心を強く動かされた。

世界を受け容れる。
そんなこと、出来るはずがない。
いや、もしかしたら…。
原作が「可能性」を肯定的に捉えたストーリーであったので、「中二病」真っ盛りだった私は彼女達に倣おうとした。
たとえ無残な最期を迎えることになっても、と。

そして、15年以上の月日が経ち……。
結局、世界を受け容れることは出来ないまま、無残な最期を迎えるわけでもなく、今日も私は生きている。
残っているのは中二病の残滓くらいだ。

最後に、今回のテーマを述べておこう。
「二十歳を越えても中二病であることへの言い訳」。
言い訳になっていない気もするが、敬愛する原作者の後書きに準えて言うなら……「まぁ、いいじゃん」。