エクスキューズ・ミー

「言い訳」をテーマに書いています。

コーヒーへの言い訳

透明なグラスに、たっぷりな氷。そこに並々と注ぐ黒色の液体。
温かいものも勿論好きだけれど、この時期はやはりアイスコーヒーが美味しい。

コーヒーを初めて飲んだのはいつだろう……と考えて、小学生時代の調理実習の授業に辿り着いた。
ケーキだったかパフェだったか、お菓子を作ることになっていて、前日に親にねだってインスタントコーヒーの瓶を買ってもらったのだ。
実習の班員は四人くらいだったはずなのだが、授業が終わる時には瓶は空になっていた。
コーヒーって苦い、などと思いながら格好つけて飲んでいた。小さいカップにあれだけの量を入れたのだから当然だ。コーヒーに謝れ。

分量を考えて美味しく飲めるようになったのは、中学校に入ってからである。
当時から砂糖やミルクは入れていなかった。理由は簡単。面倒だから。それだけだ。

コーヒーを飲むことに言い訳は必要なのだろうか。
今では医療的な効能も認められているが……私個人としては、やはり嗜好品の一つである。
こだわりを持って嗜んでいるわけではないが、美味しく飲めるようになった今でも一番の理由は昔と変わらない。
「格好いいから」。