エクスキューズ・ミー

「言い訳」をテーマに書いています。

「聴覚」への言い訳

円滑なコミュニケーション!
……エクスクラメーションマークを付けて勢いを……と思ったが、このテンションでは最後まで書き切れない。無理だ。
生来の人見知り、というのもあるが、今回のテーマはもう一つの大きな問題についてである。

「え?」
聞き返す。
いや、ちゃんと聞こうとしているのだ。「聞く」というよりも「聴く」という感じで。
しかし、何故だろう、相手の発言を耳が捉えてくれない。
聴覚に問題が?
いや、健康診断を受けても受けても正常値なのである。
勤め先が割と賑やかなところなので(機械の作動音など)、そのせいかと思ったのだが……正常値だしなぁ。

しかし、常に聞こえていないのかというと、そういうわけでもない。
深夜、自室にて。
何か音がする……気になって部屋を出る。一階で食洗機が動いていた。あぁ、と納得する。
自室に戻る。
何か音がする……しかも今度は部屋の中で。辺りを見渡して、聞き渡して、気付く。テレビを録画するための機器が唸っていた。あぁ、と納得……できるか!!

イヤホンを着けて音楽を聴けば……と思ってやってみたが、曲と曲の合間に聞こえる食洗機やらレコーダーの作動音。
仕舞いには自分の呼吸音すら耳に不快感を与えるようになる。
(これ、奇妙なストーリーを集めた2時間ドラマで観たことある展開だ……)
そのストーリーの結末を思い出して寒気がしてくる。
(死……!!)

円滑なコミュニケーションに於いては大切な聴覚、独りでいるときには煩わしい聴覚。
それはそうだ、自分以外の「何か」が発する音を聴くための器官なのだから。

ところで、雑音が気になって眠れないのかというと、そんなことはない。
眠くなったら寝てしまう。流石、三大欲求。

それにしても、近頃は耳を塞ぎたくなるような出来事が多いですよね(無理矢理なオチ)。